奇妙な空気を体験する(「H.P.ラブクラフト朗読会」感想)

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    (今回の記事は、Metallicaの"The Call of Ktulu"をBGMにしながら書きました)

    先日9/13に行われたH.P.ラヴクラフト小説朗読会の感想です。

    行われた場所は、怪奇雑貨画廊 化け猫屋敷。
    大須にある屋根裏のようなお店です。

    今回の朗読会は現在開催されている触手展のプレイベントとして行われました。
    (触手展の開催期間は9/14~9/23です)

    朗読された小説は「クトゥルフの呼び声」。

    蝋燭の灯る中で一体どういった空気が流れていたのでしょうか。

    当日は大須を少しだけまわってから19時半頃に化け猫屋敷に伺いました。

    お店は、1階のDela3(デラスリー)という服屋、美容室、カフェが一体となったような(?)ところを通って2階へ行く形になっています。

    実は私、イベントの日付を間違えていて前日に伺っていたので、当日はスムーズに行くことができました。
    2階へ上る階段の先の壁は血で染められているためドキドキします……。

    前日に伺った際にはチェーンソーのような音も聞こえていたような……。

    受付を済ませると、イカの足の駄菓子をいただきました。
    (触手、ですね)

    そして、楽しみにしていたスペシャルドリンクをいただくために1階のカフェへ。

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    スペシャルドリンク「血塗るられた舌」です。

    紅茶のフロート。クトゥルフ神話のニャルラトテップの化身をモチーフにしたドリンクです。
    コーヒーか紅茶が選べます。

    こちらのドリンクは触手展の会期中にカフェで提供されるそうです。
    (スペシャルドリンクには「狂気山脈」というソーダフロートもあります)

    当日はまだ夜でも暑さが残っていたのですが、飲み物とアイスで体の内側を冷やすことができました。
    コーヒーだとまた印象の違ったドリンクになるだろうな、と思います。

    開始まで2,30分ほどあったので、同じイベントに参加された方とカフェのスペースでクトゥルフ談義などをしながら時間をつぶしていました。


    20時を越えた辺りで朗読会開始。

    参加者は15名ほど。
    語り手の葉栗 遥悠(はぐり・はるか)さんの周りに集まるような感じで着席。

    お店の一角には歌い手の方も待機していました。
    今回のイベントは、生歌のアカペラ付きだったんです。

    「クトゥルフの呼び声」はこのイベントに際して予習しておいたので、噛みしめるように聴いていました。

    翻訳とはいえ形容の多いラヴクラフトの文体、状況を積み重ねて表現していこうとする文章が明らかにあらわれていて、その世界に着いていくのには時間がかかったところがあります。

    私は予習していたため比較的入り込むのが早かったほうかもしれませんが、初めて作品に触れた方は最初苦労されていた様子でした。

    物語が進むにつれ、文体や文章に慣れてきて、皆さん一緒にストーリーに着いていくようになったようです。

    個人的にはこういった苦労するような文体が好きなので、時に目をつぶりながら、時に何もない空間を見つめながら、朗読に浸ろうとしていました。

    手軽に読めるような文章よりも、初読で苦労して挫折しかけるような文章を何度も繰り返して味わうのが好きなタイプなんです。


    各節の区切りとなるところで朗読に重ねてアカペラが奏でられました。

    私が漠然と想像していたラヴクラフトの世界の音とほとんど一致するような歌に鳥肌が立ちました。

    作曲された菊一倖殷さんとはラヴクラフトの小説に対する感性が似ているのかもしれません。

    気味の悪い、そしてそれでいて落ち着くような、グレゴリオ聖歌が魔を秘めて異形の姿になったかのような三声(ソプラノ、アルト、バス)のアカペラはとても素敵でした。

    (今思い出しながら、こういう歌と合わせてマジックの実演をしてみたいと強く思っています……)

    各節の終わりで休憩をはさみつつ、ゆっくりと物語は漠然としたまま明らかになっていき、盛り上がっていきました。

    語り自身がそれを意識されていたように思います。

    物語の最初の辺りと最後の辺りではかなり熱の入れ方が違ったという印象だったのですが、もしかしたら、単に聞き手である私の熱が変わっていただけかもしれず、そういったことが判別つかないというのもまた面白い体験でした。

    あえて内容については今回言及しませんが、こういった不明瞭なホラーは心をざわめかせつつも安心させてくれるような奇妙な感覚にさせられます。

    そして、人類の最も古くて強い感情が恐怖だというようなラヴクラフトの言葉がありますが、それを物語に触れることで体験させ、またその思考がその内容にも直接関係しているということをあらわしている、それがラヴクラフト小説の魅力なのかもしれない、と感じました。


    会場の屋根裏のような雰囲気、赤い蝋燭から立ち上る炎、熱を帯びた朗読、ラヴクラフトの文体、奇妙な進行の歌声、これらが合わさって一つの空気を作っていました。

    特に朗読と歌が中心でしたので、まさに皮膚感覚と聴覚という空気による体験という要素が強かったように感じがします。

    (まあ、ドリンクで視覚や味覚などを満たす要素もあったので、実際は全体としてかなり五感を楽しませるイベントだったと思いますけどね。朗読会の方での印象です)

    空間を体験できるという意味でも、今回のイベントはとても楽しむことができました。

    ラヴクラフトの作品はほとんど読んでいないのですが、これを期に集中的に読んでみようと思っています。


    こういった奇妙な趣きをもったイベントには今後も参加していきたいですね。

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